チャオログ

もろもろのはなし。文脈から切り離されたなにか。思考のログ。8割はうそ。

激務の人はなぜ激務アピールをしてしまうのか?

「寝てない自慢をする人は本当は無能」「残業ばかりしている人は効率が悪いだけ」のような言説を聞くことはよくあるし、実際当たっている面もあると思うが、実際に何をどうやっても深夜に及んでしまう仕事があるというのを現実を生きる僕は理解している。どれだけ有能な人であっても仕事を詰め込まれればそりゃ深夜まで会社にいる羽目になる。こればかりは会社の社風や業界の違いにもよるところがあるので、「さっぱり理解できない」人もいれば「わかる」と思う人もいるのではないか。

前の会社で、毎日日付が変わるまで働き、家に帰ったら寝るだけ、朝起きてまた会社に行く…という「起きてる時間のほとんどは仕事している」状態が続いたとき、「死にたい」を超えて「全員殺す」と思っていた。その経験のおかげでひとつわかることがあって、睡眠不足や極度の忙しさは簡単に人の思考を変えてしまうということだ。僕は「性格」なんてものは本当はなくて、基本的におだやかな人であろうと、精神的に追い詰めたら多かれ少なかれ心に余裕がなくなり言動がきつくなることはあると思っている。

だから激務の人が「激務なんです」と表明する気持ちが僕にはわかる。自虐しないとやってられないという気持ち、少しでもユーモアを口にして心を明るくしたい気持ち、それから「大変だね」「すごいね」と労わられたい気持ち。あと、苦しいことを紙に書きだす人がいるように、口にして吐き出すことで多少は楽になるという気持ち。

 

なのに、だ。ここのところ僕は、上司の「激務アピール」に参っている。上司は有能だし、事実として激務だ。なのにいちいち「今日何曜日だっけ?(土日も出勤してるから日付の感覚がわからなくなっちゃって)」とか聞いてくるのにイライラする。お前が今開いているPCに曜日くらい書いてあるだろ!!!!!!!!!!!!!!!!!なんのアピールなんだよと思ってしまう自分もいるが、「とにかく何か口に出して人とコミュニケーションをとることで心を静めたいんだろうな」と理解できる自分もいるのだ。

たいへんだなー、と思う。僕は向上心がないし、上司を助けられるスキルもないので、手伝いましょうか?なんて言わないし言えない。けど曜日も教えたくないので「PCの右下に出てますよ」という。冷たいかな。でも、おじさんが疲れたアピールをしてくるとき、そこにいるのはただの疲れたおじさんなのだ。全然かわいくないんだもん。僕もおじさんになったときには、疲れたアピールをしないおじさんになろう。その前に、おじさんがこんな体に鞭打って働かなきゃいけないドカタな仕事から卒業しなくては。